~最期の朝~vol.1


旅行の翌日は私は午前中をお休みにさせてもらっていましたので、

気分もゆっくりしていました。子供達も夏休みで、学校はなし。

出勤する夫が準備をする音で目覚めました。

昨晩から床で寝てしまっていた夫、また胸が痛むんだと言い、背中を

叩いてくれと言いました。

夫は、昔から時々夜中から朝にかけて胸が痛いということがありました。

その中には「ゲップ病」と彼が呼んでいたものもあり、いびきのひどい彼は、

空気が胸にたまり、くるしくなって飛び起きることがあり、背中をたたいてゲッ

プを出すと楽になることがありましたので、度々背中をたたいていました。

今回もそれかと思い、叩いてみるも一向によくならず。。。

私は子供達を朝食のために起こしまわりました。

そうすると夫は何を思ったか、シャワーをしており、あがって「まだ痛むの?」

と聞くと「うん。」と言い、時間がまだあるからか、パンツ1枚のままでベラン

ダへ出て、大好きな裏山を見て立っているところを見て、私は、1階に住む義母

へ夫の様子がおかしいことを伝えに行きました。

すると今考えても奇妙なのですが、誰からかわからない人から白い花束をもらっ

た(受け取ったのは認知のある義父)とのこと。縁起でもないと嫌な予感がした

のを覚えています。

そのうち2階のベランダから、「長男!三女!てつだってくれ!」と声がきこえ

てきました。その朝は燃やせるごみの日で、ごみを集めるのは夫の役目だったの

で、最期まで仕事に行くつもりだったのでしょう。

私はまだ双子が起きていないのかと腹立たしく思いながら、2階へ上がった時、

丁度双子も起きてきたところで、私が見たのはベランダのまどに手をかけ痛みに

に汗を垂らしながら耐えている夫、救急車をよぼうかと声をかけようとした

次の瞬間、夫はゆっくりバタンと横に倒れました。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です